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更新日:2025年7月23日

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妊娠を希望する方や妊娠中の方が気をつけたい感染症

細菌やウイルスなどの微生物が、お母さんから赤ちゃんに感染することを「母子感染」といいます。妊娠前から元々その微生物を持っているお母さん(キャリア)もいれば、妊娠中に感染するお母さんもいます。

母子感染は、次の3つに分類されます。

  • 胎内感染・・・赤ちゃんがお腹の中で感染すること
  • 産道感染・・・分娩が始まって産道を通る時に感染すること
  • 母乳感染・・・母乳によって感染すること

以下に掲げる感染症は、母子感染を引き起こし、赤ちゃんに先天的な障がいをもたらすおそれがあるため、お母さんだけでなく配偶者や同居の家族等も含めて注意が必要です。

 

 麻しん(はしか)

麻しんは空気感染で伝播する感染力の強い麻しんウイルスによって起こる急性の発疹性感染症です。手洗いやマスクのみでは予防することができません。

妊娠中に麻しんに感染すると重症化する確率が高くなり、また流産や早産を起こす可能性があります。妊娠前であれば、過去にワクチンを2回接種していない又は感染したことがない場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討してください。しかし、すでに妊娠している場合はワクチン接種を受けることができません。海外等へ旅行する際は、その地域の流行状況をあらかじめご確認ください。また、麻しん流行時に、同居者等の身近な人で麻しんに感染する可能性の高い人(麻しんの感染歴がない、麻しんワクチンの2回接種が明らかでない等)がいる場合は、ワクチン接種を検討する等、かかりつけの医師にご相談ください。

海外に行かれる方へ~感染症に注意しましょう~

FORTH 厚生労働省検疫所「海外へ渡航される皆様へ」(外部サイトへリンク)

 風しん

風しんは飛沫感染で伝播する風しんウイルスによって起こる急性の発疹性感染症です。

風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。先天性風しん症候群は、風しんウイルスの胎内感染によって先天異常を起こす感染症で、主な先天性異常として、白内障、先天性心疾患、難聴などがあります。妊娠前であれば、事前に風しんの抗体検査を受け、抗体がない場合や十分でない場合は、ワクチン接種を積極的に検討してください。しかし、すでに妊娠している場合はワクチン接種を受けることができません。そのため、身近に接する人からの感染を防ぐために、配偶者やパートナー、同居の家族も抗体検査を受け、抗体が十分にない場合には風しんワクチンの接種を検討してください。また、職場の同僚などで妊娠を希望する人(又は妊婦)がいる場合には、その周りの皆さんが抗体検査やワクチン接種を行うなど、社会全体で先天性風しん症候群のリスクを減らし、風しんから身を守りましょう。

大人の風しん抗体検査のご案内

風しんワクチン予防接種費用の一部助成について

 HIV/エイズ

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスの感染が原因で、感染源は、血液、精液、膣分泌液、母乳です。これらの体液が、性的接触等により性器・直腸・口腔などの粘膜や傷口から体内に入ることで感染します。HIVに感染すると、長い経過の中で徐々に体内の免疫機能が低下し、様々な病気を発症します。妊婦がHIVに感染していると、妊娠、出産、授乳を通じて、生まれてくる赤ちゃんに感染する場合がありますが、母親のHIV治療薬の服用や帝王切開による出産、粉ミルクの使用など適切な対策をとることで、赤ちゃんへの感染は非常に少なくなっています。

※藤沢市では、事前予約制で無料・匿名のHIV・梅毒即日検査を実施しています。心配なことがある場合は、ぜひ検査を受けてみませんか。

※医療費助成については、エイズ治療・研究開発センター(外部サイトへリンク)をご覧ください。

 梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体が性的接触等で伝播する感染症です。全国的に増加しており、特に20代の女性は突出して増えています。

妊婦が梅毒に感染すると、流産、早産、死産のリスクが高まるだけでなく、おなかの中の赤ちゃんへの母子感染(先天梅毒)を引き起こし、生まれてくる赤ちゃんの神経や骨などに異常をきたすこと(先天梅毒)があります。妊娠中の梅毒予防として、妊娠が判明後、速やかに妊婦健診を受け、梅毒の検査を受けることが重要です。検査で陽性の場合、早期に適切な治療を受けることで、母子感染のリスクを下げることができます。また、妊娠前から梅毒のリスクのある性的接触を避ける、またはコンドームを正しく使用することも感染予防に繋がります。

※藤沢市では、事前予約制で無料・匿名のHIV・梅毒即日検査を実施しています。心配なことがある場合は、ぜひ検査を受けてみませんか。

 B型肝炎

B型肝炎ウイルス(HBV)が血液や体液を介して感染する肝臓の病気です。感染してから数ヶ月の後に身体からウイルスが排除され、その後に免疫ができる「一過性感染」と、長期にわたってウイルスが肝臓に住みついてしまう「持続感染」(HBVキャリア状態)の2つの感染様式があり、持続感染者がB型肝炎を発症した場合、将来慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんを発症するおそれがあります。

妊娠している方がB型肝炎ウイルスに感染している場合、生まれてくる赤ちゃんもB型肝炎ウイルスに感染するおそれがあるため、妊娠を希望する方や妊婦は感染しているかどうか検査します。感染している場合は、生まれてきた赤ちゃんに2種類の注射(HBワクチン、HBグロブリン)を投与することにより、高い確率で感染を予防することができます。

※事前にホームページを確認のうえ、対象となる方は、藤沢市で実施しているB型・C型肝炎ウイルス検査(無料)を検討してください。

※医療費助成については、神奈川県肝炎治療医療費助成制度(外部サイトへリンク)をご覧ください。

 C型肝炎

C型肝炎ウイルス(HCV)が血液や体液を介して感染する肝臓の病気です。C型肝炎ウイルスに感染すると、約70%の人が持続感染者となり慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。妊婦がC型肝炎ウイルスに感染していると、母子感染する可能性がありますが、B型肝炎と違い、予防のためのワクチンはありません。赤ちゃんに感染しても、小児期に肝硬変へ進むことは少ないため、成人までは医療機関により経過観察されることが多いですが、病気の進行抑制のため早期治療を行う場合もあります。

※事前にホームページを確認のうえ、対象となる方は、藤沢市で実施しているB型・C型肝炎ウイルス検査(無料)を検討してください。

※医療費助成については、神奈川県肝炎治療医療費助成制度(外部サイトへリンク)をご覧ください。

 水痘(みずぼうそう)

水痘は、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘・帯状疱疹ウイルスにより、空気感染で伝播する感染症です。妊婦が感染すると、重症化しやすく、特に肺炎を併発すると危険です。また、赤ちゃんへの影響も懸念され、妊娠初期に感染すると先天性水痘症候群のリスクがあり、分娩前後では重症の水痘を発症する可能性があります。妊娠中の水痘(水ぼうそう)予防には、妊娠前にワクチンを接種することが重要です。妊娠中は水痘ワクチンを接種することができないため、妊娠を希望する方は事前に抗体検査を行い、抗体がない場合はワクチン接種を検討してください。

※詳しくは「厚生労働省 水痘ワクチン(外部サイトへリンク)」をご覧ください。

 伝染性紅斑(りんご病)

伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症で、飛沫感染や接触感染により伝播します。妊婦が感染すると、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。特に、妊娠初期に感染すると、流産や死産、胎児水腫などのリスクが高まります。発熱や全身倦怠感が出現した後に発疹が出るなど、伝染性紅斑を疑う症状がある場合は、かかりつけの医師にご相談ください。

※詳しくは「厚生労働省 伝染性紅斑(外部サイトへリンク)」をご覧ください。

HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)

HTLV-1は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型の略称です。HTLV-1とエイズウイルス(HIV)は全く別のウイルスです。ウイルスに感染した細胞が、生きたままの状態で大量に体内に入り込むことで感染します。主な感染経路は母乳を介した母子感染と、精液や粘液を介して、性的接触により感染します。現在のところ、一度HTLV-1の感染が成立すると生涯にわたり感染したままとなります。

HTLV-1に感染していても妊娠や分娩に影響を及ぼすことはありません。また、HTLV-1感染が原因で赤ちゃんに生まれつきの障がいが生じたり、産まれた後に異常を起こしたりすることもありません。感染した方の約95%は、生涯にわたりHTLV-1感染が原因となって起こる病気を発症せず、感染していない人と同じように生活することができます。ごく一部の方は、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)、HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU/HAU)を発症します。

赤ちゃんにHTLV-1をうつさないためには、母乳を全く与えずミルクのみで赤ちゃんを育てることが、最も有効な方法です。しかしこの方法においても約3%は赤ちゃんにHTLV-1がうつってしまうことが報告されており、これは胎盤からの感染を含む子宮内感染や産道感染によるものと考えられています。

※詳しくは「厚生労働省 HTLV-1(外部サイトへリンク)」をご覧ください。

※電話相談窓口(無料)は、HTLV-1情報ポータルサイト(外部サイトへリンク)をご覧ください。

性器ヘルペスウイルス感染症

単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって性器やその周辺に水疱や潰瘍等の病変が形成される疾患です。感染はHSVに感染している相手との性的接触によって起こり、相手の性器に明らかな病変がある場合だけでなく、無症状でも性器の粘膜や分泌液中にウイルスが存在する場合には感染します。また、相手の唾液中にHSVが排出されている場合には、口唇性交によっても感染します。

抗ヘルペスウイルス剤を服用すると、いったん病変は治癒しますが、HSVは一度感染すると神経節に潜伏し、再発を繰り返します。出産時に産道でウイルスが増殖すると、新生児ヘルペスを発症する可能性があり、帝王切開が必要な場合もあります。

※詳しくは「厚生労働省 性感染症(外部サイトへリンク)」をご覧ください。

サイトメガロウイルス感染症

サイトメガロウイルスは、通常、幼小児期に不顕性感染(無症状)の形で感染し抗体をもっていますが、生涯において潜伏感染するので、免疫抑制状態になるとさまざまな病状を引き起こします。このウイルスが感染症を発症するのは主に胎児、未熟児、移植後、AIDS患者、先天性免疫不全患者などですが、免疫学的に正常であっても肝炎や伝染性単核症などを発症する場合があり注意が必要です。また、妊婦が初めて感染した場合や、免疫力がひどく低下した場合は、妊婦にほとんど症状がなくても、赤ちゃんにまで感染が及ぶことがあります。感染した赤ちゃんには、流産・死産、脳や聴力障がいなどを生じることがありますが、症状も障がいの重さも様々です。乳幼児期に接する妊婦は、食器の共有や食べ残しを食べることなどをやめ、可能な限り唾液や尿に触れないようにし、おむつ替えなどで触れた後はきちんと手洗いを心がけてください。

※詳しくは「国立健康危機管理研究機構 サイトメガロウイルス感染症(外部サイトへリンク)」をご覧ください。

トキソプラズマ症

トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫という寄生虫に寄生されることによってかかる病気で、まれにヒトからヒトへうつることがあります。汚染された豚肉を生または調理不十分なまま食べることや、寄生虫卵に汚染された猫の糞そのものや糞で汚染された食品等を口に入れることによりうつります。また、妊娠中にお母さんが感染すると、生まれた赤ちゃんが感染していることがあります。妊娠中は、肉は十分加熱し、生肉を扱った後の調理器具の消毒や手洗いを徹底し、土いじり、猫のトイレの掃除等は手袋・メガネ・マスクをつけるなど注意が必要です。

※詳しくは「FORTH 厚生労働省検疫所 トキソプラズマ症(外部サイトへリンク)」をご覧ください。

 

関連リンク

こども家庭庁

国立健康危機管理研究機構(JIHS)

 

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